髪飾り
「お疲れ様でしたー」

そう言って店の外に出て、まゆが出てくるのを待った

しばらくして、まゆが出てきので聞いてみた

「公園に行かないか?」

「はい」

まゆと一緒に公園に行った

公園について、ベンチに座って聞いてみた

「その髪飾りは、誰かのプレゼントかなにかなのか?」

まゆは髪飾りを外して、手の上に置いてそれを見つめながら言った

「これは…死んだお兄ちゃんから貰ったんです…」

「……」

「これを探して、いろいろなところに行ったそうなんです…」

「これを貰ったときは、すごく嬉しかったんです」

「でも…」

「ごめんな、変なこと聞いちゃったな」

「気にしないで下さい」

まゆの目に少しだが涙がたまっていた

まゆ…

まゆをそっと抱き寄せた

ポケットからそっと、猫のついたネックレスが入った袋を出した

「はい」

「え!」

「今日は、まゆの誕生日だろ」

「ありがとう御座います」

まゆは袋を受け取って聞いてきた

「開けても…いいですか?」

「ああ、いいよ」

まゆは袋を開けて、ネックレスを出して見ていた

「気に入ったか?」

「はい、とっても嬉しいです」

「着けてあげるよ」

「お願いします」

まゆからネックレスを受け取り、それをまゆの首にかけてあげた

「どうですか?」

「似合ってるよ」

「ありがとう御座います」

まゆはすごく嬉しそうだった

「髪飾りとお揃いだな」

「そうですね」

そのあと、しばらく二人とも何も言わなかった

静かにまゆが口を開いた

「孝之さん…」

「なんだい?」

「私、孝之さんのこと…好きになって本当に良かったです」

「俺もだよ、まゆ」

まゆを優しく抱きしめて耳元で言った

「これからは、ずっと一緒に居ような」

「はい…すごく嬉しいです…」

まゆはそのまま、しばらく泣いた

まゆにハンカチを差し出した

「はい」

「かたじけない」

まゆはハンカチを受け取って涙を拭いた

「またいっしょに、お兄さんの墓参りに行こうな」

「はい、行きましょう」

そっとまゆを抱き寄せた

「あ!一番星だな」

「本当ですね」

しばらく二人で空を眺めた

「この空のどこかでお兄さんは、まゆのこと見てるんだろうな」

「そうですね」

「お兄さんに心配を、かけないようにしないとな」

「はい」

まゆとキスをした

そしてどちらともなく、離れた

「帰ろうか」

「はい」

二人で手を繋いで駅に向かって歩きだした

ーENDー


あとがき

まゆのキャラは難しいですね。
おかしな所があっても笑って許して下さい。
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