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誕生会
暑い日が続く8月のとある日、会社に一本の電話がかかってくる。

「速瀬さ〜ん、二番に電話ですよ〜」

「あ、はい!」

誰だろ〜?孝之かしら…?

「はい、お電話代わりました」

「水月先輩、今大丈夫ですか?」

え、茜!なんで、茜が…!?

チラッと部長の方に視線を向けてみると、部長もじっとこっちを見ている。

その目は『会社の電話を個人的な用事で使うな!』といってるように感じれる。

部長の視線は気になるが、話をする。

「忙しいんだったら、またかけ直しますけど…」

「ううん、大丈夫よ。何か用事?」

「今度のお休みって、何時ですか?」

「え!休み?どうしてそんなこと聞くの?」

「え!ちょっと気になって…」

机の上のカレンダーを手にとって見てみると、27日に丸印がついている。

「27日よ」「27日ですね。ありがとうございます」

「水泳頑張ってね。でも、あんまり頑張りすぎて遙に心配かけないようにね」

「大丈夫ですよ〜…。お姉ちゃんと違って、頑丈にできてますから!」

「それもそうね」「はい!そでは、また」

電話を切って、椅子の背もたれに寄りかかりって天井を眺める。

何で、茜は私の休みなんか聞いたのかしら?そういえば、27日って私の誕生日ね。

嫌な思い出がある日…。一生変わることない日…。

仕事を終えて家に帰る時に、携帯に茜から電話がかかってきた。

「もしもし…」「今、大丈夫ですか?」

「帰ってるところだから、大丈夫よ。どうしたの?」

「今度の休みの日に、今から言うところに来てほしいんですけど…」

「ちょっと待って、書くもの出すから」

ハンドバックから紙切れとボルーペンを取り出して、茜が言うことをメモをする。

「ここに何時に行けばいいの?」「あ!ちょっと待ってください…」

しばらく沈黙のち、電話に遙がでる

「もしもし、水月?」「遙〜、茜は?」

「うん、ちょっとね…」「ね〜、遙…」

「どうしたの?」「茜に聞いた場所に、何時に行けばいいかわかる?」

「確か…12時だったと思うよ」「12時ね、ありがとう」

しばらく遙と話して電話をきったあと、メモの住所を見てあることに気が付く。

ここって、前に孝之がバイトしてたところよね〜?ここで何があるのかしら?


当日は、遅れてはいけないので少し速めに家を出て、電車に乗って向かう。

電車を降りて、駅前に行くと遙がいるのに気が付く。

遙の方もこちらに気がついて、大きく手を振りながら近づいてくる。

周りを見渡したが、孝之や茜の姿はなかったので聞いてみる。

「ねー、孝之はいないの?」「孝之君?さっきまで、そこにいたのに〜…」

その時、後ろから誰かの声が聞こえてくる

「水月、久しぶり」「孝之く〜ん、どこに行ってたの?」

「あの〜…あれだ…」

遙は孝之の行動を見た後、『あ!』っといった顔をして、孝之に向かって小さく頷く。

三人ですかいてんぷるに向かう時、遙は孝之にくっ付いて歩いている。

孝之は少し照れてくさそうにしている。

まったく、この二人は〜…。私はどうなるのよ〜私は…。

すかいてんぷるの前まで来ると、二人は私を前で待たせて、そのまま中に入って行った。

しばらくして、茜が迎えに来ていっしょに中に入ると、みんながいっせいに

『お誕生日!おめでと〜!』といい、その後クラッカーが鳴り響く。

「え!え!え!…」

訳がわからなく、あたりを見渡す。

「今日は速瀬の誕生日だろ?だから、孝之がみんなで祝ってやろうって言ったんだよ」

「はん!あんたのために、今日は臨時休業なのさ!まったく、いい迷惑よ!」

「あれ?店長さんは?」「店長なら、さっきからあんたの目の前に居るじゃないさ」

え!目の前…?

じーっと大空寺を見る。

「あに見てるのさ!」「もしかして、店長?」

「こいつが店長になれるはずないだろう〜。喧しい!可愛くない!がさつ!の三拍子揃った奴が

なれるはずないだろ〜」

「それもそうね…」

「あんですと〜!糞虫の分際で好き勝手言うなさ!」「言われて怒るってことは、

自覚があるっことだな!」

「うがああああぁぁぁぁぁ…」「成長しない奴だなー!」

その後、いつものように二人は頬を引っ張りあう。近くに玉野さんが居たので聞いてみる。

「ここの店長って誰になったの?」「え?店長ですか?」

「うん、前の店長さんの姿が見えないから…」

玉野さんは自分を指差しながら『私ですよ』と言う。そのを聞いて一瞬固まる。

信じられなくて遙にも聞いてみたが、間違えなかった。

こんなこともあるのね〜…。

ふと、見知らぬ顔ぶれがあることに気が付く。

「ね〜、茜?」「はひ…はんですか?(はい…なんですか?)」

「あの子って誰なの?」「知りませんでしたか?」

「でしたら、私の方からご紹介しましょう」「誰?」

「あそこに居る、御剣冥夜さんのメイドさんでよ」「ふーん…」

「それでは、紹介させてもらいます。まず、あちらにいらっしゃるのが、白銀武様です。

その隣にいらっしゃるのが、鏡純夏様です。その隣にいらっしゃるのが、榊千鶴様です。

そして、あちらにいらっしゃるのが、彩峰慧様です。あちらにいらっしゃるのが玉瀬壬姫様です」

「ね〜、あの子って猫のなの?それとも人間なの?」

「私にもよく判らないんです…」

「そして私が、月詠真那です」「え!マナマナ?」

「マナは一つですよ!」

どことなく恐ろしさを感じさせる笑顔だ。

「孝之〜!」「ん?どうした?」

「ちょっと付き合って…」「ああ…」

孝之と二人で社員専用の休憩室に入り、孝之に背を向けたまま言う。

「今日は…ありがとうね…。孝之がやろうって、言ってくれたんでしょ?」

「まーな…これで、少しは気が楽になったか?」

「え!」「水月のことだから、ずっとあのことで自分を責めつづけてるじゃないかと、思ってな…」

「そうなんだ〜…」「もうやめよう、遙も元気になったんだし…な」

「そうね…できるだけ、努力してみる…」「そうだ、水月に渡したい物があるんだ」

孝之はポケットに手を入れて、何かを探しているが見つからないらしく慌てて部屋から出て行った後、

茜が入って来る。

「はい、プレゼントです」「ありがとう…」

細長い箱を受け取り、開けてもいいか聞いてみる。

茜は『はい!』といいながら頷く。

箱を開けてみると、中身は腕時計だった。早速つけて、茜に聞いてみる。

「どうかな〜?」「お似合いですよ。やっぱり、それにして正解でしたね」

「ありがとう…」「先輩!私の誕生日には期待してますから〜」

茜はそう言って部屋から出て行いき、入れ替わりに、遙が入って来る。

「はい、水月…」「ありがとう」

箱を受け取り、開けてもいいか聞いてみると、遙は黙って頷く。

中身は、ハンドバックだった。

「ちょっと、これって高いんじゃ〜…!?」

遙が苦笑いしていると、孝之が戻ってくる。

「私、行くね」「あ、うん…」

「何かあったのか?」「ううん、別に何もないわよ」

孝之は不思議そうな顔をしてたあと、思い出しようにプレゼントを取り出す。

「ありがとう…」「まー…たいした物じゃないけどな…」

「俺も行くな」「あ!」

孝之は急いで部屋から出て行いった後、しばらく孝之かのプレゼントを眺めて、

それをしまい、部屋から出る。

パーティーが終わり、帰りの電車の中で孝之のプレゼントを取り出して、また眺める。

そして、そのプレゼントをそっとしまい、外の景色を眺める。

「ほら、早くしないと遅れるわよ〜」「判ってるよー!」

ふと視線をある場所に持っていく。その視線の先には、パーティーイで撮った写真と一緒に

孝之からのプレゼントの写真入の置時計が置いてある。

その時計に向かって『いってきます』と小さく呟く。

「先に行くわよ!」「うわー、ちょっと待ってくれよー!」

ーENDー

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