遙伝説(2)
ジリリリリリリリ……

カチッ!

グーグー

ピロロ…ピロロ…ピロロ…

んっ今度は電話か〜

「もしもし?」

「あ〜孝之君遅いよ〜!」

「えっ!」

「もう約束の時間1時間も過ぎても来ないから電話したんだよ〜」

「えっ!」

ガーン!

またかよ〜!

「わり〜今から行くから!」

「うん、判った」

急がないと〜!

靴を突っ掛けながら部屋を出た

くそ〜なんでいつもこうなんだよ〜

目覚ましの馬鹿やろ〜!

「は〜は〜は〜…」

「大丈夫?」

「悪いが少し休ませてくれ…」

「うん」

近くのベンチに腰を降ろした

「目覚ましの電池が弱ってたのかもしれない」

「そうなんだ〜」

「さて行くか〜」

「もういいの?」

「遅れたぶん取り返さないとな」

「そうだけど…」

「ほら行こう」

「うん」

動物園に向って歩き出した

「遙はなにが一番好きなんだ?」

「パンダかな…」

「そうか〜俺はコアラかな」

「帰りにパンダのぬいぐるみ買って帰るか〜しかも一番でかいやつ!」

「え〜恥ずかしいよ〜」

「それもそうだな」

「そうだよ〜」

「おっ、ついたぞ!」

「はいろうぜ!」

「うん!」

中に入った

「さてとパンダはどこかな〜?」

「あっちだって書いてあるよ」

「んっ!本当だな〜行くか〜」

「うん!」

「パンダハウスね〜」

何てネーミングだ〜

「ね〜入ろうよ〜」

「そうだな」

「結構人がいるな〜」

「そうだねこれじゃ〜見えないよ〜」

「そうだな…いいこと思いついた!」

「えっ!なに?きゃっ!孝之君恥ずかしいよ〜」

遙を肩車してやった

「これで見えるだろ〜」

しかしさすがにきついな〜

「もういいよ〜降ろしてよ〜」

「ああ」

遙を降ろしてやった

「どうだ見えたか?」

「うん、ありがと〜」

「次は何を見に行こうか〜?」

「今度はコアラ見に行こうよ〜」

「そうだな」

「コアラはこの先に居るみたいだな〜」

「居たよ〜」

「本当だな〜」

「やっぱりコアラって動かないんだね」

「そうだな」

「さて次はと・・・おっ、ふれあいコーナーってのがあるぞ!」

「行ってみるか?」

「うん」

「先に行ってくれ俺ちょっとトイレ行って来るから」

「判ったよ」

急いで行って帰らないとな。遙を待たせたら悪いからな

急いでトイレに行ってふれあいコーナーに行った

さて遙は何処だ〜?

「…孝之君〜」

んっ?うわ!

動物にまとわりつかれた遙が俺を呼んでいた

「遙なにやってるんだ?」

「助けて〜」

「あ〜判った」

遙をなんと助けてやった

「大丈夫か?」

「うん」

「何であんなことになったんだ?」

「あのね、えさをあげてたらあんな風になったの」

「そううか〜」

「さっき帰りにリスザル見たけど行ってみるか?」

「あれ可愛いよね〜」

「確か〜この辺だったぞ…居た!あそこだ〜!」

「あ〜本当だ〜!」

「ここは中に入れるみたいだな〜」

「入ろうよ〜」

「そうだな」

中に入った

「あそこにも居るぞ〜」

「へ〜結構いるもんだな〜」

「な〜遙」

「げっ!」

振り向くとそこにはリスザル人間がいた

「………孝之君〜」

またかよ〜これは遙伝説だな

リスザルに襲われる遙か〜

「じっとしてろよ」

「………うん」

遙にまとわりついたリスザルを取ってやった

「大丈夫か?」

「うん…」

しかしよくここまでなるな〜

「さてあそこに行くか〜」

「あそこ?」

「人形を買いに行くんだろ?」

「そうだったね」

「一番大きいやつだったな〜」

「違うよ〜」

「冗談だよ」

「う〜ひどいよ〜」

お土産屋さんに向った

「これがいいかな〜」

「な〜遙これなんかどうだ?」

「あ〜それ可愛いね」

「こっちも可愛いぞ!」

「本当だ〜!」

あれがでかいやつだな〜どれ位で売られてんだ?

げっ!10万!

「どうしたの?」

「いや〜これいくらくらいで売られてるのかな〜と思ってない」

「いくらだったの?」

「10万だ!」

「そんなに高いの〜」

「そうだ」

「ね〜それよりこれとこれどっちがいいかな〜?」

「うん〜こっちかな〜でもこっちもな〜」

「二つ買うってことは出来ないんだよな〜?」

「うん…お金が無いかもん…」

「じゃ〜遙がこっちを買って〜俺がこっちを買うってのはどうだ?」

「えっ!」

「そうしたら二つ買えるだろ!」

「うん…」

「そうだ!茜ちゃんにもなにか買って帰るか〜」

「そうだね」

「え〜と茜ちゃんは〜これかな」

「孝之君それってゴリラの人形だよ」

「茜ちゃんにピッタリだろ!」

「たぶん怒ると思うよ〜」

「うん〜じゃ〜これかな〜?」

「象さんだ〜」

「これならいいだろ〜」

「うん〜」

「これもダメか〜」

「よしこれだ〜!」

「あ〜キリンだね」

「そうだこれならいいだろ〜」

「そうだね」

あとは〜玉野さんにはこれかな

シマウマの人形を取った

大空寺にはこれで十分だな

さっき見つけたゴリラの人形を取った

「さて俺は支払い行ってくるな」

「うん、私はもう少しみてから行くね」

「判った」

「合計で3000円です」

「はい!3000円」

「ちょうど頂きます」

「ありがとうございました〜」

さて遙は何処だ?

いたいた

「遙なにか見つけたか?」

「うんこれ!」

「これか〜」

そこには動物園をモデルとした絵本があった

「これってここにしかないんだよな〜」

「そうだよ」

「じゃ〜買うか〜」

「そうだね」

遙は支払いに行って

外に出て待っていると遙が出て来た

「帰るか〜」

「うん」

「ちょうど昼だな〜」

「そうだね」

「よしラーメンでも食べて帰るか〜」

「ラーメン?」

「知らないのか?」

「…うん」

「そうか〜今日初体験だな」

「うん」

「よし行こうか〜」

ラ−メン屋に向った

「やっぱり昼時は結構混んでるな〜」

「そうだね」

40分後

「やっと座れたな〜」

「うん」

「なんにするか決めたか?」

「え〜とこれ!」

「普通のラーメンか〜」

「じゃ〜俺はチャーシュー麺だな」

「何なの?」

「来てみれば判るさ」

「すいませ〜ん」

「ラーメンとチャーシュー麺お願いします」

「はいよ!」

「どんなのが出てくるか楽しみ〜」

「そうだな初めてだもんな」

「うん!」

「はい!お待ちど〜」

「わ〜おいしそ〜」

「はい」

「ありがと〜」

「頂きます!」×2

「どうだ?」

「うん美味しい〜」

「孝之君のって私のと上にのってるお肉の数が違うね」

「そこがチャーシュー麺と普通のラーメンの違いさ〜」

「そうなの?」

「ああ、それよりはやくしないと麺が延びるぞ!」

「そうなの!急がないとね」

「そうだな」

ズルズル……

「すいませ〜ん替え玉お願いします!」

「はいよ!替え玉一丁〜!」

「替え玉って?」

「これも来たら判るよ」

「替え玉お待ち〜!」

「うわ〜麺だけだ〜!」

「これが替え玉だ!」

「ふん〜私もしてみようかな〜」

「食べれるのか?」

「たぶん大丈夫だと思うよ」

「それならたのんだらしてくれるぞ」

「うん、すいません替え玉お願いします」

「はいよ!替え玉一丁〜!」

「もし食べれなかったら俺が食べやるよ」

「その時はお願い」

「替え玉お待ち〜!」

「どうだ?」

「うん楽しいね」

楽しいね〜

ズルズル……

「は〜食べた〜!」

「私も」

「よく食べたな〜」

「うん美味しかったからつい食べちゃった」

「じゃ〜帰るか〜」

「うん」

忘れ物無いな!

「え〜合計で1200円になります」

「2000円からでお願いします」

「2000円お預かりいたします、800円のお返しです」

「毎度ありがとうございました〜」

「さすがに腹が苦しいな〜」

「そうだね」

家に向って歩き出した

遙の家の前に来た

「ね〜孝之君あがっていかない?」

「そうだなこれ茜ちゃんに渡さないといけないしな」

中に入って茜ちゃんを探した

「あれ?茜ちゃん居ないな〜」

「部屋に居るかもしれないから見て来るね」

「ああ」

ソファーに腰を降ろした

その時バスルームのドアが空いて中から茜ちゃんが出てきた

しかも裸で!

「えっ!」

「あっ!」

「キャ〜!」

ガンッ!

ドサ!

「茜〜どうしたの?」

「あ〜孝之君大丈夫?」

遙が駆け寄って聞いた

「ああ何とか」

「お兄ちゃん居るんだったら居るって言ってくださいよ〜!」

茜ちゃんは顔を真赤にして言った

もちろん服を着ている

「しかしな〜言えって言われても何処にいるか判らないのどうしろって言うんだよ〜」

「それも…そうですね」

「あいたたた…」

「それよりはい、これ!」

キリンの人形を茜ちゃんに手渡した

「お土産!」

「ありがとう」

「でも人形=茜ちゃんってのはピンとこないがな」

「あ〜今のひどいですよ〜!さっきのことお姉ちゃん言いつけますよ!」

「げっ!それだけは勘弁してくれ〜。なっ、俺が悪かったから〜!」

「さっきのことって何のこと?」

「こっちのことだから気にしなくていいよ」

「あのね〜お兄ちゃんがね〜」

「判ったなにが望みだ!」

「そうですね〜今度お兄ちゃんのバイト先で私達にご飯奢って下さい」

「しょうがないいいよ」

「やった〜!」

「でも言ったらどうなるか判ってるね」

「大丈夫だよ言わないからお兄ちゃんが約束さえ守ってくれれば」

「ね〜孝之君〜さっきのことって何なの〜」

「それは聞かないでくれ…」

「え〜二人だけの秘密なの〜」

「ま〜そうだな」

「教えてよ〜」

「こればかりはいくら言われてもダメなんだ…」

言える訳が無い。茜ちゃんの裸を見たなんて

「ね〜茜なら教えてくれるよね〜」

「えっ!それは〜その〜あの〜」

「教えてよ〜!」

「言ってもいいよ茜ちゃん」

「えっ!」

「ご飯はちゃんと奢ってあげるから」

「ね〜茜〜教えて〜」

「あのね私がシャワーを浴びて裸で出てきた所をお兄ちゃんが見たの」

「え〜!」

「不可抗力ってやつだな…」

「お兄ちゃんがいないと思って出てきたら居るんだもん」

「判ったか?」

「うっうん…」

「だから見たくて見たんじゃないからな」

「あ〜なんかいけないもの見たって感じの言い方〜!」

「そんな言い方するんだったお父さんに言いますよ」

「いいぞ言ってもその代わり奢り無しな!」

「え〜それ困る〜」

「なら言わないことだな」

「はい!」

「じゃ〜俺は帰るな」

「うんまた」

「お兄ちゃん忘れないで下さいね」

「判ってるよ!」

「じゃ〜また」

遙の家を出た

さてと帰りにコンビにでもよって弁当でもかって帰るか〜

家に向って歩き出した…

−続く−