風邪
「遙〜大丈夫か?」

「うん、ごめんね」

「なんで誤るんだよ〜」

「だって〜せっかくのデート出来なくなったから〜」

「そんなこと気にするなって!」

「でも〜!」

「いいから今風邪を治すのが先だろ」

「うん…」

「風邪が治ったらまた何処でも連れってやるよ」

「うん…」

「だから早く治さないとな」

「うん…」

孝之君は私の頭にのっているタオルを取り手を当てた

恥ずかしいよ〜

「うん〜大夫良くなってきたな〜」

濡らしタオルをまたのせた

そのあと何も言わずに孝之君は部屋を出て行った

う〜孝之君〜。早く帰って来てよ〜

孝之君が部屋に帰ってきた

「風邪のときはこれだろ〜」

「えっ!」

見てみるとお粥があった

「なんて言うか味は自信ないけどな…」

「お母さんにいろいろ言われたけどな」

孝之君は苦笑いしながら言った

嬉しい…。孝之君が私のために

「ありがとうね」

「んっお礼言われることじゃないぞ」

「そうかな〜でも私嬉しくて…」

「そうか〜、そうだな」

「うん…」

「ほら口開けて」

「え〜!」

恥ずかしいよ〜

「誰も見てないから大丈夫だよ〜」

「うん…」

孝之君はお粥を私の口に入れてくれた

「はふ…はふ…」

「おっ!熱かったか!」

「大丈夫だよ〜」

「ごめんな…」

「ふ〜ふ〜…今度は大丈夫だと思うぞ」

「うん…」

今度は熱くなかった

「今度は大丈夫だったみたいだな」

「うん…」

「ふ〜ふ〜…はい!」

そのまま孝之君に食べさせて貰った

「じゃ〜俺これ片付けてくるから〜」

「うん」

孝之君は部屋を出た

『茜ちゃん!何してるのこんなところで!』

え〜茜もしかして見てたの〜!

『覗いてたな!』

『そんな〜、人聞きの悪い!これ持って来たんです!』

『そうか〜悪かったな』

『いいですよ!どうせお兄ちゃんには私はそんな風にしか見えてないんでしょうから!』

『そんなこと無いって!』

『別にいいですけど、お姉ちゃん待ってますよ』

『ああそうだな…でもこれ』

『私がやっときますから〜』

『そうか悪いね』

『いいえ。これくらいしか出来ませんから!』

『そんなにへそ曲げるなよ〜』

『なら今度どこか連れって下さい!』

『取引か!』

『はい!』

『判ったよ。遊園地にでも連れってやるよ』

『え〜そんな〜。子供みたいでいやですよ〜』

『遙は喜んだけどな〜』

『お姉ちゃんは子供みたいなところがありますから〜』

茜〜、ひどいよ〜

『ほ〜ら』

『判ったよ!それたのんだよ』

『大丈夫ですよ。お姉ちゃんじゃないんですから』

あ〜、またひどいこと言ってる〜

孝之君が部屋に入ってきた

「はい!薬」

「ありがとう」

孝之君から薬を受け取り飲んだ

「ね〜たぶん覗いてたよ」

「ああ俺もそう思う…」

「ほら〜寝た方がいいぞ」

「うん」

「俺はどこに行かないから」

「うん」

「ま〜トイレくらいは行くがな」

「それはそうだよ〜」

「そうだな…」

孝之君は苦笑いしながら言った

「ね〜孝之君〜」

「何だい?」

「手をね…」

「ああ判ったよ」

孝之君は私の手を握ってくれた

「おやすみ」

「おやすみ…」

静かに目を閉じて寝た

目を開けると孝之君は手を握ったまま眠っていた

そっと垂れた前髪を上げてみた

とても無防備な孝之君の顔があった

孝之君…ありがとう

そのままキスをした

その時孝之君が目を開けた

「んっ?俺寝てたか〜」

「そうみたいだね」

「もう大丈夫なのか?」

「うん孝之君のおかげだよ」

「俺は別に何もしてないぞ?」

「そんなことな無いよ〜」

「えっ!」

そんなこと無いよ。…こうして側に居てくれたんだもん

「孝之君…」

「何だい?」

「このままこうしてていい?」

「ああ判ったよ」

「ありがとう」

「これくらいしか出来ないからな」

「そんなこと無いよ〜」

そんなことは無い。…孝之君は何も出来ないことは無いんだよ

「んっ遙?聞いてるか?」

「えっ!何?」

「やっぱり聞いてなかったか〜」

「ごめんね…」

「あのなちょっと手を離してくれないか?」

「えっ!」

「いや〜あの〜その〜、トイレ行きたいんだけど…」

「あっ!」

あわてて離した

「行ってくるわ〜」

「うん」

う〜恥ずかしいよ〜

『お姉ちゃん大丈夫ですか?』

『さっきまで寝てたけど今は起きてるよ』

『そうなんですか〜。お兄ちゃんは今日ここに泊まるんですか?』

『ああそのつもりだよ』

『そうなんですか〜』

『お姉ちゃんのことお願いしますね』

『ああ任せとけ!』

『だからお兄ちゃん好きです!』

『そうか〜。俺は行くな』

『はい』

孝之君が帰ってきた

「お帰り」

「ああただいま」

「さ〜寝た方がいいぞ!」

「うん…」

「おやすみ」

孝之君は優しく手を握ってくれた

「うん…おやすみ」

静かに目を閉じて眠った…

ーENDー


後書き

こちらもちゃあるさんに感謝!感謝!m(__)m
ネタを使わして貰いました。
ありがとうございますm(__)m
ギャラリ〜へ