墓参り

 
忘れも無いよな〜…線香はある、蝋燭もある、財布は…無い〜!

確かこの辺に居座ったよな〜…あ!あった〜

「ふ〜」

これが無いと帰れないところだった〜

プルルルルル……

やべ!速く降りないと

プシュ〜…バタン、ピー!

さてと、行くか〜…それにしても涼しいもんだな〜

やっぱり、都会と違うんだな〜

そんなことを考えながら、ある人の墓に向かう

お!ここだ〜

「こうしてここに来るのは、何度目かな〜…ごめんな、最近なかなかこれなくって

俺な〜、やっと医者になれたんだぞ、すごいだろ〜!今は、香月先生についていろいろなことを

教えてもらってるんだ〜、前から思ってたけど香月先生ってやっぱり

怖い先生だな〜…ま〜失敗する俺が悪いんだけどな、あ!今のは香月先生には無いしょな…

この石…まだ持ってるぞ、蛍がくれた宝物…最初で最後の贈り物…

この石は、蛍と俺を繋いでくれるものだもんな〜…」

「そろそろ帰るな、また来るから…」

「鳴海さん…」

え?

声がした方を見てみるとそこには蛍が居た

どうして蛍がいるんだ…?これは夢だよな

ぎゅ〜

痛い…夢じゃない!

「鳴海さん…今日は来てくれて、有難う御座います」

「当然だろ〜今日は、蛍の誕生日なんだから」

「あ、そうだ!はい、誕生日プレゼント」

「有難う御座います…」

「開けてごらん…」

「いいですか?」

「ああ…」

「なんだろ〜?」

ガサガサ…

「わ〜…ネックレス…」

「気にいったかい?」

「はい!」

「貸してごらん、つけてあげるから」

「はい…」

蛍からネックレスを受け取り、蛍のつけてあげた

「どうですか?」

「似合ってるよ…」

「…有難う御座います」

「鳴海さん…」

「これ受けっとって下さい…」

蛍が差し出した物は、小さな石だった

「これって…」

「はい!私のことを、忘れるための石です!」

「え!」

「鳴海さんには、これからも長い人生があります…」

「私のことは忘れて、幸せになって下さい」

「そんなこと!できるわけがないだろ〜!」

「え!」

「俺が蛍を忘れることなんて、できるわけない!」

「鳴海…さん…」

「俺は、蛍のことが大好きだ!そんな人のことを、忘れることなんて

できるわけがないだろ〜!」

「俺は絶対に忘れないぞ!蛍のことをな!」

「鳴海さん…」

すっと蛍を抱きしめる

「ここに居る蛍は、偽者か?そうじゃないだろ…」

「だから、そんな悲しいことを言わないでくれ…頼むから」

「鳴海さん…ごめんなさい…私、かってなことばっかり言って…」

「いいんだ、蛍は一生懸命俺のことを考えてくれたんだから…」

「それだけで、俺はすごくうれしいよ」

「鳴海さん…ずっとこうして居たいです…」

「もう離さない、絶対に!」

「私もこうして居たいです…でも、それはだめなんです…」

「どうして!」

「そろそろ、帰らないといけないから…」

「帰るって、どこに!」

蛍はすっと空を指差す

「あそこです…」

「空…か?」

「はい…」

「行かせない、絶対に!」

「それは駄目なんですよ…今日は…鳴海さんにお別れを言いに、来たんですから…」

「だから、泣かないで下さい。でないと、私も悲しくなりますから…」

「さようなら…鳴海さん」

「待ってくれ、最後に1つと聞いてもいいか?」

「なんですか?」

「また…会えるよな?」

「きっと会えますよ」

「そうか〜…」

「さようなら…鳴海さん」

「さようなら…」

俺はこの時すでに、確信してたのかもしれない…もう蛍には会えないことを…

「よ〜し!明日からがんばるぞ〜!」

ーENDー

あとがき

書きかけでずっと置いてたネタです。
一ヶ月前から、置いてあったんですけどね…(^^ゞ
蛍は難しい!他のキャラは何とかなるけど…

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